株式会社テックシンカーは8月21日、製品単位での「トレーサビリティ(追跡)サービス」を開始すると発表した。本サービスは、ダイナミック二次元コードと情報開示プラットフォームを活用し、バリューチェーンにおける循環性の測定や関連情報の共有・活用を促進することで循環経済の実現に貢献する。
日本政府は、2030年までに循環経済関連市場の規模を80兆円以上に拡大する目標を掲げている。資源循環の実現には動静脈連携の情報流通プラットフォームが欠かせないと同社は指摘。デジタル技術を活用したトレーサビリティサービスを通して、資源の流れの可視化と効率的な資源管理を実現し、リサイクル原料の処理量やプラスチックリサイクル量の増加につなげる狙いだ。
具体的には、利用者の位置情報を活用したパーソナライズされたサービスの提供や、カーボンフットプリント(CFP)情報の開示により、企業の環境責任の明確化とブランド価値の向上、競争優位性の確保に寄与する。また、ダイナミック二次元コードによりリアルタイムでの情報更新が可能となり、ユーザーエンゲージメントを強化する。
さらに、製品の使用状況を分析し、データ駆動型の製品開発を行うことができる点も特長だ。リサイクルシステムの効率化や顧客満足度の向上を実現し、循環経済の促進を目指す。
株式会社テックシンカーは、脱炭素化を推進するデジタルソリューションを提供する企業だ。従来企業が抱えていたCO2排出量の算定やカーボンオフセットに関する課題を解消するため、クラウド型排出量可視化ツールやマーケットプレイス、プラットフォームの開発を進めている。企業の新規事業創出やリブランディング、GXの推進、脱炭素化の効率化、事業価値の向上に寄与するサービスの開発・提供に取り組んでいる。
製品に関する環境負荷の低減や生活者への透明性向上が求められる中、テックシンカーのサービスは、製品の追跡可能性を強化し動静脈産業間の連携強化に寄与すると期待されている。
【プレスリリース】バリューチェーン情報共有プラットフォームを通じて、循環経済(サーキュラーエコノミー)を促進します~製品単位のトレーサビリティ(追跡)サービス提供開始~
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(※画像の出典:株式会社テックシンカー)