積水化学工業株式会社は12月1日、資源循環におけるサプライチェーントレーサビリティシステム開発を行うオランダのCircularise B.V.(以下、Circularise)と資本業務提携契約を締結したと発表した。デジタル製品パスポートをはじめとした情報共有化プラットフォーム構築へ参画し、さらなる「サステナビリティ貢献製品」の拡充と価値向上を推し進める計画だ。

積水化学グループは、2050年にサーキュラーエコノミー(資源循環型経済システム)の実現を目標に掲げる。長期ゴールの実現に向け、サプライチェーンとの連携、化石由来原料の使用量の最小化、再資源化による資源循環を推進している。

また、長期ビジョン「Vision 2030」の実現に向けても、現有事業、革新領域を含めて、資源循環を重要キーワードの一つとして定義。ESG経営、戦略事業領域を拡大・強化するため、スタートアップ企業やアカデミアとの協業も積極的に行う。

Circularise社は、ブロックチェーンとゼロ知識証明を活用した独自のサプライチェーントレーサビリティシステムを開発している。ゼロ知識証明とは、情報を証明する際にその情報自体を明示せずに、その正確性や妥当性を他者に示す暗号学的技術である。

Circularise社 資源循環におけるサプライチェーントレーサビリティシステム

トレーサビリティシステムにより、原材料やリサイクル履歴、マスバランス、カーボンフットプリント、第三者認証といった環境関連情報を信頼性の高いプラットフォーム上で管理・追跡・証明でき、かつ機密情報の秘匿性担保も可能となるという。

デジタルプラットフォーム構築への参画により、一層の資源循環推進と「サステナビリティ貢献製品」の価値向上を目指す。新技術・新事業の探索に向け、同社は今後も同様の提携を推進していく考えだ。

【プレスリリース】資源循環トレーサビリティシステムを開発する「Circularise B.V.」との資本業務提携について
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*画像の出典:積水化学工業株式会社