株式会社クラウディオはこのほど、顧客のサステナビリティへの取り組みを支援するデジタルサービスとして、「サステナブルサプライチェーンプラットフォーム」の展開を開始した。

同プラットフォームは、サプライチェーンにサステナビリティの仕組みを組み込み、顧客のESG経営に向けた課題をデジタルテクノロジーで解決するとしている。デジタル技術を使って、サプライチェーン全体における環境への配慮や法令順守、公平・公正な取引など社会的責任に対する取り組みを評価・情報開示し、サステナブルなサプライチェーンの実現に貢献したい考えだ。

株式会社クラウディオが同プラットフォームを開発した背景は、世界におけるESG経営への関心の高まりだ。2020年の世界のESG投資額は2018年比で15%増加した。日本企業のSBT認定数は年々増加しており、2022年7月時点で213社、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の日本の賛同企業は878社(2022年5月31日時点)となっている。今後、企業価値は短期的な収益性だけでなく、社会課題解決に対して中長期的に取り組むことで高められていくと同社はみている。

循環型サプライチェーンの実現には、製品ライフサイクル全体のトレーサビリティを確保した管理と、製品を使用し続けるための補修部品の長期間提供などの仕組みが求められると同社は考える。同プラットフォームの概要について、株式会社クラウディオは以下を発表した。

  • 気候変動対策:サプライチェーン上の温室効果ガスを「見える化」し、電力シフトや排出量取引など脱炭素の技術と仕組みを取り入れるためのソリューションを提供
  • CSR調達分析評価:調達する部品・原材料・サプライヤーの情報を改ざん不可能な状態で蓄積および評価するサービスを提供
  • デジタル協働計画:クラウド上で関係者が同じ情報を見ながらサプライチェーン計画を立案するための計画ツールを中心として、サプライチェーンの最適化(ムダに作らない・運ばない・持たない)を実現
  • サーキュラーエコノミー:販売した製品の情報を管理。部品・原材料のライフサイクル全体の情報をクラウド上で管理し、関係者に公開・共有するための情報基盤を提供。資源と製品の価値の最大化・資源消費の最小化・廃棄物の発生抑止などを目指す

以上に加え、物流マッチングサービスも同プラットフォームで提供する予定だ。今後、DXを推進することで同社はサステナブルな未来の実現に貢献していきたいとしている。ESG経営への関心が高まるなか、同プラットフォームがサプライチェーンのサーキュラーエコノミー移行に寄与していくことが期待される。

【プレスリリース】デジタルテクノロジーでESG経営を支えるサービスを展開
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*冒頭の画像の出典:株式会社クラウディオ