世界経済フォーラム(WEF)の責任ある調達部門リードのWinnie Yeh 氏はこのほど、「重要な金属の需要を削減するための3つのサーキュラーエコノミーアプローチ」を提案した。
現在、気候変動対策として世界規模で再生可能エネルギーへの移行・輸送手段の電気化・多分野におけるデジタル化などが推進されている。しかし、再生可能エネルギーへの大規模移行には、大量のクリティカルメタルが必要だ。輸送手段の電気化には大量の電気自動車(EV)用電池が必要となり、コバルト・ニッケル・リチウムなどの金属の需要が拡大する。デジタル化についても同様である。コンピューターなどの電子機器には、レアアースをはじめとするクリティカルマテリアル(重要な原材料)が不可欠だ。
こうした金属の需要に対応するために、一次資源の採掘の増加や新規採鉱プロジェクトに着手すれば、環境破壊が進むことになり、大きな矛盾が発生する。この点は、欧州環境局をはじめとする多数の環境保護団体なども指摘している。
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藤原 ゆかり
欧州在住フリーライター/リサーチャー。EUの政策・規制、経済、産業、政治、環境リサイクル分野での執筆活動および調査に携わっている。専門分野:EU環境政策・規制。イギリスの大学院で戦争学、国際関係学を学ぶ。趣味は旅行と油絵。