新型コロナウイルス流行の影響が徐々に緩和されてきた2023年。コロナ禍でも着実に進んできたサーキュラーエコノミー実現への国内外のプロセスが、いよいよ具体的な形で加速し始めてきた感のある一年となりました。

そんな中、2023年に公開したCircular Economy Hubの記事を中心に、読者の皆さまに関心を持って読んでいただいたテーマを振り返ります(2023年12月20日までのアクセス数に基づく)。

新電池規則、ELV指令案
EUによるサーキュラーエコノミー移行に向けた法整備が継続

サーキュラーエコノミーアクションプランに基づいて着々と施策を進める欧州は、その要である「持続可能な製品イニシアチブ」(SPI 2022年3月公表)に基づきほぼすべての業界・製品においてサステナビリティ要件の策定を目指しています。また、2023年は自動車業界への影響がとりわけ大きい関連規則の施行や指令案の合意があり、以下のような記事が読まれました。

ELV規則案に関する詳細については、2023年2月開催のCircularXの視聴をお勧めいたします。

動き出す日本のサーキュラーエコノミー戦略

日本国内では、2020年5月に発表された「循環経済ビジョン2020」の中で、資源の効率的・循環的な利用と付加価値の最大化を図る手段としてサーキュラーエコノミーを規定しています。こうした考え方を踏まえて、資源循環経済政策の再構築などを通じて国内の資源循環システムの自律化・強靱化と国際市場の獲得を目指し、総合的な政策パッケージである「成長志向型の資源自律経済戦略」が2023年3月に策定されました。サーキュラーエコノミーに関する産官学パートナシップ「サーキュラーパートナーズ」が始動し、▼ビジョン・ロードマップ作成▼サーキュラーエコノミー情報流通プラットフォーム整備▼地域循環モデルづくりーという3つのテーマに重点を置いて進められることになりました。オールジャパン体制でサーキュラーエコノミーを推進するための体制が整いつつあり、数年先を見据えたCEに関わる基盤プロジェクトへの重点的な投資も始まっています。

広がるサーキュラー・スタートアップはCEを加速させるか?

EUを中心にサーキュラーエコノミー関連の法整備が進み、目指すべきCEの姿が明らかになってくるとともに、大手企業だけでなくスタートアップ/ベンチャー企業がサーキュラーエコノミーの実現を創業ビジョンに掲げて関連ビジネスを展開するようになってきました。ベンチャーキャピタルによる直接投資から、サーキュラーエコノミーに積極的なグローバル大手企業によるアクセラレーター・プログラムなどからも、サーキュラー・スタートアップが国内外で生まれています。

プラスチックのサーキュラーエコノミーは実現できるか?

2023年末に開催されたCOP28(国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議)では、COPとして初めて「化石燃料からの脱却」が合意されました。一方で、COPよりも少し前に開催されたプラスチック汚染対策の国際条約制定に向けた政府間交渉第3回会合(INC3)では、草案での合意に至らず、2025年中にバージンプラスチックの生産・消費の削減に踏み込んだ野心的な国際条約にできるか不透明な情勢となっています。国内においても、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律施行後、企業で取り組みが進められており、関連記事も読まれています。

2024年の展望は?

こうした流れを受けて、2024年のサーキュラーエコノミーはどのような形で進展するのでしょうか。2022年から続く国際情勢の不安定化に伴うエネルギー・食料供給不安の増大やそれに伴うインフレ基調は、2024年も継続することが予想されます。加えて、6月には欧州議会選挙、11月にはアメリカ大統領選挙と国際情勢を左右しかねない政治イベントがあり、サーキュラーエコノミーを含め2050年のカーボンニュートラルを見据える世界経済にどのような影響を与えるか注視する必要があるでしょう。2024年最初となる2024年1月11日のCircularXでは、今後の国内外のサーキュラーエコノミーを展望するに当たっての注目テーマについて編集部メンバーが解説します。

さらに翌週には特別編として、「サーキュラーエコノミーと脱炭素、両立のジレンマをどう克服するか?」と題して、2050年カーボンニュートラルを見据えてどうすれば脱炭素施策とサーキュラーエコノミーの両立を図ることができるか、専門家による解説をお届けします。

2023年もCircular Economy Hubをご愛読いただき、ありがとうございました。2024年もともにサーキュラーエコノミーの実現を目指す読者の皆さまのお役に立つ情報をお届けするとともに、その先を展望する論考なども充実させてまいります。

これからもご愛読のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。