Alliance to End Plastic Waste(廃棄プラスチックを無くす国際アライアンス。以下、AEPW)はこのほど、株式会社カマンとレコテック株式会社に事業拡大支援資金と技術的知見を提供すると発表した。

AEPWの創設メンバーである三井化学株式会社と三菱ケミカル株式会社は、それぞれ株式会社カマンおよびレコテック株式会社と協働し、両社の事業展開加速を目指す。2019年にAPEWが国際NPOとして設立されて以来、今回の両社への支援は初の日本国内プロジェクトとなる。

株式会社カマンはMeglooプロジェクトにおいて、持ち帰り容器の廃棄削減を目的としたリユース容器のシェアリングサービスを提供している。同社は2023年に数都市およびイベント会場でサービス展開する予定だ。三井化学株式会社は、食品グレードの生物由来材料で作られたリユース容器の開発において、カマンを支援する。

レコテック株式会社は、廃棄プラスチックの発生からリサイクルプラスチックがメーカーへ供給されるまでの情報を「見える化」し、一元管理するシステム「POOL」プロジェクトを展開している。AEPWからの資金提供により、レコテック株式会社は全国に事業ネットワークを拡大することを目指す。三菱ケミカル株式会社は、新しいフィルムやプラスチック製品の製造に使用する高品質のリサイクル樹脂を生産するべく、使用済みプラスチック包装(資材)の回収に関する協業を進めている。

両社は、End Plastic Waste Innovation Platform(プラスチック廃棄物に終止符を打つスタートアップを募るイノベーションプラットフォーム)で採択されたスタートアップ企業だ。同プログラムはAEPWとPlug and Play Japan株式会社が開発し、2022年に東京で開催されたプログラムでは日本と韓国のスタートアップ企業約150社から11社が採択された。同イニシアチブは、プラスチック資源循環を促進する廃棄物管理ソリューションの開発を目指している。

AEPWは、日本の業界リーダーネットワーク(ENEOS株式会社、稲畑産業株式会社、キリンホールディングス株式会社、三菱ケミカルグループ株式会社、三井化学株式会社、住友化学株式会社などのメンバー、およびパートナーのクリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA※)と独立行政法人 国際協力機構(JICA※2))から支援を受け、世界でプラスチックの循環型経済を推進している。

プラスチック廃棄削減を目指し取り組みを進めている株式会社カマンとレコテック株式会社が、同プロジェクトにおける協働および支援によって、事業展開を加速させていくことが期待される。

※1 CLOMA:日本国内および世界のプラスチックに関わる課題解決に貢献することを目的とする、2019年に設立された企業連合プラットフォーム。2022年12月1日時点で、487組織が参加している
※2 JICA:日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う実施機関として、開発途上国への国際協力を実施している

【参照サイト】AEPW、プラスチック資源循環促進のため 国内初のプロジェクトを開始
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