海外での資源循環の取り組みに力をいれるアミタグループ。海外統括会社アミタ・サーキュラーデザイン株式会社は6月1日付で、マレーシアのコングロマリット企業Sunwayグループが運営するSunway University SDN. BHD.(Sunway大学)と「MEGURU STATIONの実証実験の実施に関する基本合意書」を締結した。

同大学の近隣に位置する学校内に、海外初となる「MEGURU STATION」(互助共助コミュニティ型資源回収ステーション)を設置し、約7ケ月間の実証実験を行う。現地における一般廃棄物の分別回収のポテンシャル調査と、利用者の行動変容に関する知見を蓄積するのが目的だ。

アミタグループは2017年からマレーシアで、現地製造業から排出される指定廃棄物の100%再資源化事業を行っている。同事業を通じてセメント会社向けに製造・供給した代替原料量は、2018年から2023年の6年間で2.8倍に拡大。マレーシアにおける指定廃棄物の資源循環ニーズは増加傾向にある。

しかしその一方で、一般廃棄物の分別回収に対する個人の意識差が大きく、リサイクル率の向上に課題を抱えているという。また、マレーシア政府は「マレーシア・プラスチック・サステイナビリティ・ロードマップ2021-2030」を策定。廃プラスチックを中心にリサイクルを進めており、市場規模は2019年時点で45億リンギット(約1,350億円)とされる。今後は製品の廃棄やリサイクルの段階まで生産者が責任を負う「拡大生産者責任(EPR)」の段階的な導入が予定されており、現地では環境関連ビジネスのニーズがさらに高まると予測されている。

このような状況を踏まえ、マレーシアにおける資源循環市場の開拓に向けた同社の新たな取り組みとして、キャンパス内で発生した資源の分別回収や資源循環に積極的に取り組むSunway大学との基本合意書の締結に至った。MEGURU STATIONを活用した資源循環システムの構築を図るとともに、今後の事業連携も視野に、海外での社会デザイン事業の展開を目指すとしている。

スペインの国際包装展示会で表彰

また、アミタ株式会社は6月11日、スペインの国際包装展示会「Hispack 2024」で、サーキュラーエコノミーの実現に向けたアミタ社の資源循環モデルの取り組みが業界に革新をもたらす国際的なトッププロジェクトとして表彰されたと公表した。

Hispackは3年に1度スペインのバルセロナで開催される国際的な包装業界の展示会。今年で19回目を迎え、800以上の企業と1,250以上のブランドがブースを出展した。

受賞したのは、アミタがJ-CEP(ジャパン・サーキュラー・エコノミー・パートナーシップ)で取り組んだDPP(デジタル・プロダクト・パスポート)に関するプロジェクト。同プロジェクトは、J-CEPの一員であるアミタと丸紅株式会社、オランダのサーキュライズ社、神戸市が共同で、同市に設置した資源回収ステーションで住民から分別・回収したペットボトルキャップを利用し、DPPの国内導入に向けたシミュレーションを実施したもの。

受賞理由として、コミュニティ起点での資源回収であること、1社単独ではなく様々なパートナーとの連携による取り組みであること、ヨーロッパの技術(サーキュライズ社)が活用されていること、という3点が挙げられた。

同社は、今後も国内外のパートナーと共に、グローバルな視座でサーキュラーエコノミーの実現、ひいては持続可能な循環型のエコシステム社会の構築に向けた事業展開を加速させていくとしている。

【プレスリリース】アミタグループ、マレーシアで海外初のMEGURU STATION®の実証を開始~一般廃棄物の資源循環を目指し、現地大学と連携~
【プレスリリース】サーキュラーエコノミーに向けたアミタ(株)の取り組みがスペインで開催された国際包装展示会で表彰されました!
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(※画像の出典:アミタホールディングス株式会社)