公益財団法人日本環境協会が運営するエコマークは1月15日、「ケミカルリサイクルプロセスによる廃棄物等の化学原料化プラントおよびその化学製品Version1」認定基準案を公開し、広く意見を募集すると発表した。これは廃プラスチックの資源循環を目的にした新基準策定の一環で、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みである。
従来エコマークでは、廃プラスチックをマテリアルリサイクルしたプラスチック製品の認定を行ってきた。今回の基準策定では、廃プラスチック等廃棄物のケミカルリサイクルによる化学原料化に着目。モノマー化、ガス化、油化などの手法を通じて廃棄物を再利用可能な化学原料へと変換する「ケミカルリサイクルプラント」と、「そのリサイクル由来の化学製品」を認定対象としている。
ケミカルリサイクルを認定対象とすることで、廃プラスチック由来の炭素の有効利用を促し、化石資源への依存からの脱却と、持続可能な社会への移行を加速させる狙いだ。
認定基準は、必須項目11項目と配慮事項1項目で構成されている。必須項目には、廃棄物の受入基準や化学原料化率、製品ライフサイクル全体における環境への影響評価など、循環経済への貢献を求める内容が含まれている。また、配慮事項として再生可能エネルギーの活用も奨励されている。
エコマークは日本環境協会が運営する環境ラベル制度であり、ISO14024のタイプ1環境ラベルに基づいている。1989年の制度創設以来、環境負荷が少ない製品の認定を通じて、持続可能な社会の形成を目指してきた。
認定基準案に対する意見募集は2月13日まで。関連するオンライン説明会が1月28日に開催される予定だ。
【プレスリリース】エコマーク「ケミカルリサイクルプロセスによる廃棄物等の化学原料化プラントおよびその化学製品」認定基準(案)の意見募集(パブリックコメント)を実施、1/28に説明会を開催
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