欧州委員会は6月22日、2050年までの自然再生と2030年までの農薬使用半減の提案を採択した。両案は、欧州グリーンディールの中核をなす「生物多様性戦略」と「農場から食卓まで戦略(Farm to Fork Strategy)」に沿っており、EUおよび世界の食料供給のレジリエンスと食料安全保障の確保に役立つとしている。欧州委が今回発表した内容は、以下である。
両案が提案された背景は、欧州における生態系破壊と生物多様性の喪失、および自然に依存する経済活動と食料システムにある。欧州の生息地の80%以上は劣悪な状態にあり、最も影響を受けているのは湿地・泥炭地・草地・砂丘である。1970年以降に湿地は50%縮小し、過去10年間で魚と両生類の個体数はそれぞれ71%、60%減少した。また、世界のGDPの半分以上は自然と自然が提供するサービスに依存しており、世界の食用作物の75%以上の種類は動物が送粉している。
両案の内容は、次のとおり。
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クリューガー量子
クリューガー量子(くりゅーがー りょうこ)ドイツ在住、ハイデルベルク市公認ガイド。土木工学を学び日本で土木技術者として働いた後、メキシコでスペイン語を習得、日西通訳として自動車関連企業で働く。2003年に渡独。専門分野:ドイツのサーキュラーエコノミー関連政策・企業動向、企業現地視察サポート、建設業界のサーキュラーエコノミー移行。個人ブログ:http://ameblo.jp/germanylife10/ 。(この人が書いた記事の一覧)