イケアはこのほど、接着剤を化石原料由来から生物由来に切り替えると発表した。

新たな接着剤の開発は、温室効果ガス排出量削減を目指すイケアの主要アプローチの一つだ。接着剤をもっとも多く消費するのは板材の製造時で、現在イケアのバリューチェーンにおいて板材製造時に使用する接着剤由来の温室効果ガス排出量は全体の5%を占めている。そのため、イケアはこれまで約10年間、生物由来の接着剤への切り替えを進めるべく、技術革新と実験を実施してきた。

今後、接着剤の切り替えを段階的に進め、2030年までに化石原料由来の接着剤を40%削減し、接着剤からの温室効果ガス排出量を30%削減することを目指す。リトアニアにあるIKEA Industryの工場では、トウモロコシ由来の産業用のりを使った接着装置がすでに採用されている。現在、イケアは生物由来接着剤への100%切り替えに向け、外部パートナーと新しい接着剤の試用促進プログラムを実施している。なお、産業用のりには、食材用とは別に産業用として栽培された植物が使用されているという。

イケアは2030年の目標として、「ピープル・アンド・プラネット・ポジティブ」を掲げている。目標実現に向け、「健康的でサステナブルな暮らし」「サーキュラー&クライメートポジティブ」「公平性とインクルージョン」に注力。2030年までに使用素材をすべて再生可能・リサイクル可能なものにするという目標を定めている。今回のバイオ接着剤導入は同目標達成に向けた取り組みとなる。

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*冒頭の画像の出典:イケア・ジャパン株式会社