国際自然保護連合(IUCN)はこのほど、生物多様性条約第15回締約国会議(CBD-COP15)期間中に発表したレポート「Towards a circular economy that begins and ends in nature」の中で、サーキュラーエコノミーへの移行と生物多様性回復に向けた施策を統合するよう提言した。

サーキュラーエコノミーは自然界にとって重要な潜在的利益をもたらすが、生物多様性の政策や戦略とより緊密に統合する必要があると指摘。これにより、自然界への貢献を強化しながら、意図しない負荷を回避できるとしている。

サーキュラーエコノミーの負荷も考慮を

同レポートは、欧州連合(EU)でのサーキュラーエコノミーと生物多様性に関わる政策アプローチの関連性と潜在的なギャップを調査。具体的には、土地利用の変化と生物多様性の喪失の要因である食料、水、栄養素のバリューチェーンに関連する政策に焦点を当てている。EUのサーキュラーエコノミーアクションプランでは、これらの分野は資源利用量が大きいがゆえに、将来の可能性を秘めた分野として強調されている。

レポートは、地球環境に関わる目標達成に向けたサーキュラーエコノミーの大きな可能性を認めた一方で、サーキュラーエコノミーと位置付けられるいくつかの理論や実践は、生物多様性にリスクをもたらさないように慎重に検討する必要があるとも指摘した。たとえば、プラスチックに代わる生物由来の材料の需要が高まると、土地利用の圧力が高まり、生息地が失われる可能性がある。また、持続可能な建設資材として木材の需要が高まると、原生林の消失や単一栽培の植林につながる可能性があると言及している。

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【参照サイト】New IUCN report: To fulfil its promise, circular economy must take biodiversity into account
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