カーペットメーカーや使用済みタイルカーペットの回収企業、再生原料化する企業など約40社による「日本リサイクルカーペット協会」(Japan Recycle Carpet Association、JRCA)が11月1日付で発足した。

サステナビリティとサーキュラーエコノミーの実現に向け、リサイクルカーペットの普及を促進する。事務局を再生材メーカーの株式会社リファインバースグループ内に置き、年内に加盟企業200社を目指す。

2030年度までに温室効果ガス46%削減(13年度比)を目指す政府目標達成に向けて、公共調達では、原材料調達から廃棄までに排出する二酸化炭素の量を表示した製品のみを購入する取り組みが始まっている。床材として普及しているタイルカーペットもその適用対象。

タイルカーペットのリサイクルは、専業メーカー各社やリサイクル業者によって2000年代初頭から開始されており、すでにカーペットの水平リサイクルを実現している。タイルカーペットの水平リサイクルは、カーペットの表面と裏面を層間分離技術により構成素材ごとに分離することで、継続的に繰り返し再利用できる。回収ネットワークは年々拡大し、再生材の量も増大中だ。

JRCAは、使用済みタイルカーペットの回収から再生材製造、リサイクルカーペットの製造、使用、および、使用済み製品の回収という循環型バリューチェーンを構成する企業と共同で、コンソーシアムを結成。循環型バリューチェーンを拡大していくことで、廃棄物の削減はもとより温室効果ガスの削減にも寄与していく方針だ。

加えて、JRCAが定める品質基準を満たしたリサイクルカーペットに対する認定マークの付与、リサイクルカーペットの普及促進に向けた情報発信やイベント開催なども予定している。

設立時点の加盟企業には、株式会社川島織物セルコン、株式会社サンゲツ、シンコールインテリア株式会社、株式会社スミノエ、リファインバース株式会社など、老舗や大手が名を連ねる。1日にオンラインで開催された記者発表会で、関係者は「理想的な水平リサイクルを広く社会に認知させ、タイルカーペットの資源循環を加速させていくことで、リサイクルタイルカーペットの市場シェアを現在の約20%から25年までに50%に引き上げ、最終的には100%循環を目指していく」と、業界一丸で取り組みを進めていくことに意欲を示した。

【プレスリリース】日本リサイクルカーペット協会 (JRCA:Japan Recycle Carpet Association)設立
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