小田急電鉄株式会社(以下、小田急電鉄)はこのほど、ペットボトルの資源循環を目指すプロジェクト「RE:BOTTOLE A(リボトルアクション※)」の一環として実施した「ボトルtoボトル」の実証実験結果を発表した。

同実証実験では2021年3月から3カ月間、小田急線新宿駅に同社独自のペットボトル分別回収ボックス「リサイクルステーション」を設置した。リサイクルステーションは、ボトル・キャップ・プラスチック類(ラベル)・飲み残しなどペットボトルを4種類に分別し、小田急線車内広告などで乗客に参加を呼びかけた。「飲み残しを含めた分別率100%」および「異物混入率0%」が目標であった。

結果として、約2,800本の再生ペットボトルに相当する資源回収に成功し、ボトルtoボトル実現目標の達成に向けて確実な成果が得られたことを小田急電鉄は明らかにした。同社は、実証前(3月8日時点)と実証終了時(6月12日時点)の詳細結果を以下のように示した。

  • ラベル分別率は、3%から34%になった
  • キャップ分別率は、4%から56%になった
  • ボトルからラベル・キャップが除去された割合は、1%から32%になった
  • 飲み残し分別率は、88%から94%になった
  • 異物混入率(ペットボトル回収ボックスに入っていたペットボトル・ラベル・キャップ・飲み残し以外のごみの割合)は、15%から1%になった

小田急電鉄は同実証結果を通じ、鉄道事業者がボトルtoボトルに取り組む意義を再認識したとしている。今後も分別を促進するべく、「リサイクルステーション」を改良しながら設置し、他の駅や施設への設置を検討するなど、リボトルアクションの確立に向けた取り組みを継続していく構えだ。

清涼飲料業界の業界団体である一般社団法人全国清涼飲料連合会は2021年4月、清涼飲料業界として2030年までにボトルtoボトルの比率50%を目指すことを宣言した。ボトルtoボトル水平リサイクルは、同じ材料を資源循環させる理想のリサイクルだと全国清涼飲料連合会は考えている。現在、多くの組織がボトルtoボトルの取り組みを進めている。

※ RE:BOTTOLE A(リボトルアクション):ボトルtoボトル推進を目指し、小田急電鉄が取り組むプロジェクト。2020年10月から、同社の本社屋などに分別回収ボックスを設置し取り組みを推進している

【プレスリリース】新宿駅にオリジナル回収ボックスを設置し、お客さまと取り組んだ「ボトルtoボトル」の実証結果! 約2,800本の再生ボトルに相当する資源回収を実現しました
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*冒頭の画像の出典:小田急電鉄株式会社