埼玉県は4月15日、「埼玉スタジアム2〇〇2」においてサーキュラーエコノミー移行に向けた実証実験を開始した。

同実証では、埼玉スタジアム2〇〇2に現在設置されている回収箱を改善し、専用回収ボックスなどを設置。啓発ブースや選手を起用した動画放映などにより来場者に呼び掛け、資源の分別回収を促進する。スタジアムで来場者が排出したペットボトルの水平リサイクルや使用済みプラスチック製食品容器などの再製品化に向けた分別回収の有効な手法も検証する。

実証実施期間は2023年4月15日~11月25日で、スタジアム所有者・使用者・管理者、および廃棄物処理業者と飲料メーカーが連携して実施する。連携事業者と主な役割は以下のとおり。浦和レッドダイヤモンズ株式会社(分別回収、啓発実施)、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社(ペットボトルの再製品化、専用回収箱デザイン)、株式会社エコ計画(ペットボトル減容などの中間処理、組成調査)、埼玉スタジアム2〇〇2公園マネジメントネットワーク(スタジアム内常設回収箱の改善、食品容器などによる再生品の試作)。

埼玉スタジアム南広場では、同実証専用に制作した「ペットボトル専用回収ボックス」を公開する。専用回収ボックスは、ボトル本体・キャップ・ラベルの3分別の重要性を明確にした仕様となっている。

ペットボトルの水平リサイクルに関しては、一般社団法人全国清涼飲料連合会が2021年4月、清涼飲料業界として2030年までにペットボトルの水平リサイクル比率50%を目指すことを宣言した。これを受けて現在、さまざまな自治体や企業が取り組みを進めている。

同実証は、埼玉スタジアム2〇〇2において多くの来場者を巻き込み、多様な組織が協働して実施される。同実証が、ペットボトルの水平リサイクル推進と使用済みプラスチック製食品容器などの再製品化に貢献するとともに、人々を魅了するスポーツやコンサートなどのイベントや運営におけるサーキュラーエコノミー移行に寄与していくことが期待される。

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*冒頭の画像は、啓発ブース設置用ペットボトル専用回収ボックス(出典:埼玉県)