オランダに本拠を置くCircle Economyはこのほど、オランダにおける循環型アパレル産業に関する調査結果を発表した。同産業の循環型への移行は、環境に対するポジティブな影響を及ぼすだけでなく、雇用機会を25%創出するという。同調査では、雇用への影響という観点から、消費パターンの変化・再利用と修理の優先順位付け・繊維から繊維へのリサイクルの拡大という3つの異なる循環シナリオの概要を説明し、2番目のシナリオが雇用において最も有益であることを見出している。シナリオ実現のためには、アパレル産業従事者のスキルアップが必要となる。それにより、再生をデザインする、品質を評価する、再販品の回収を管理するなど、業界に新しいキャリアが生まれるとしている。
オランダのアパレル産業 : 循環への変化のきっかけ
ファッション業界が人類や地球に与える影響は大きい。アパレル業界は世界の二酸化炭素排出量の約5%を占めており、この業界に蔓延する非倫理的な労働条件にさらされている労働者は世界中に存在する。オランダだけでも住民は週に平均1着の新しい衣類を購入しており、世界では毎秒トラック1台分の衣類が焼却されている。循環型のアパレル産業、かつ労働者に利益をもたらす産業が必要であることは明確であるが、その実現に向け必要なスキルは何だろうか。
Circle EconomyとHIVAは、Goldschmeding Foundationとの協力により、この複雑な課題に取り組み、オランダにおける衣料品のバリューチェーンがリニア型から循環型に移行することと、その過程で雇用機会が生まれることを支援している。
この記事は、Circular Economy Hub 会員専用記事となります。
会員種別と特典
和田 麻美子
フランス留学中、モードの国と呼ばれる国の人達が、持ち物を長く大切に使い多くの買い物をしないことを知り、日本(特に東京)では常に新しいモノを求める暮らし方になっていたことに気づく。 趣味のハイキングを通じ、極力ごみを出さないように暮らすことや、豊かな自然を次世代につなぐことを意識するようになり、Own less, waste less, enjoy more を心がける日々。