東京都は、プラスチックの持続可能な利用に向けて使い捨てプラスチック削減を図る事業モデルや高度なリサイクル技術の実装化に取り組む事業者を2021年5月から約2カ月間公募した。今回、そのなかから実装化に向けたスキームづくり・調査・分析事業を東京都と共同で実施する以下の事業者を選定した。
1.ドリンク用テイクアウト容器のシェアリングサービス:Re&Go
- 事業者:NISSHA株式会社、NECソリューションイノベータ株式会社
- 事業内容:大手コーヒーチェーンなどと連携したテイクアウト用リユース容器のシェアリングサービス提供
- Re&Goについて:繰り返し使用できるテイクアウト容器のシェアリングサービスで、同サービスに参加する飲食店などから容器を回収・洗浄して再利用し容器ごみ削減を目指す。2020年12月から3カ月間、沖縄県で実証実験を実施した
2.みんなでボトルリサイクルプロジェクト
- 事業者:ユニリーバ・ジャパン、花王株式会社
- 参画企業・団体:ヴェオリア・ジェネッツ株式会社
- 事業内容:都内自治体の公共施設などでのシャンプーボトルなどの回収・水平リサイクル技術の検証
- みんなでボトルリサイクルプロジェクトについて:同プロジェクトの目的は、日用品のボトル容器をボトル容器にリサイクルする水平リサイクルの仕組みを構築するべく、企業の枠を超えて取り組むことである。ユニリーバ・ジャパンと花王株式会社は2021年5月、日用品のプラスチック容器包装の資源循環推進に向けて協業することを決定し、その一環として同年6月、東京都東大和市にて「みんなでボトルリサイクルプロジェクト」を開始した。同年8月18日までに、計1,426個・約42kg分の使用済み容器を回収したと発表した
3.廃プラスチックのリサイクルチェーン構築
- 事業者:レコテック株式会社、双日株式会社、NTTコミュニケーションズ株式会社、日商エレクトロニクス株式会社
- 参画企業・団体:センコー商事株式会社、株式会社丸井グループ、住友化学株式会社、花王株式会社、凸版印刷株式会社、三菱地所株式会社、東京大学村上研究室など
- 事業内容:廃プラスチックのリサイクルに係る情報プラットフォーム構築。アパレル店舗から出るプラスチックの高度マテリアルリサイクルに取り組む。これまでの実証事業の成果を踏まえ、事業化に向けたリサイクルチェーン(選別・プラント)の設計を具体化するとともに、現在開発中の資源循環プラットフォームを活用してトレーサビリティが確保されたPCR(ポスト・コンシューマー・リサイクル)材の提供を予定している。プラスチックを効率的に集め、メーカーの需要に合わせてリサイクルすることで継続的なプラ資源循環の実装を目指す
各事業は、事業者と東京都との協定締結日から2023年3月31日まで実施される。これまで実証実験を実施してきた3事業の今後の展開そして実装化に期待したい。
【プレスリリース】
革新的技術・ビジネスモデル推進プロジェクトに係る事業の選定について(第1回公募分)(東京都)
テイクアウト容器のシェアリングサービス「Re&Go」が東京都の「プラスチックの持続可能な利用に向けた新たなビジネスモデル」に採択(NISSHA株式会社)
東京都に採択され、東京都全域でのプラ資源リサイクルチェーン構築の実証を開始(レコテック)
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クリューガー量子
クリューガー量子(くりゅーがー りょうこ)ドイツ在住、ハイデルベルク市公認ガイド。土木工学を学び日本で土木技術者として働いた後、メキシコでスペイン語を習得、日西通訳として自動車関連企業で働く。2003年に渡独。専門分野:ドイツのサーキュラーエコノミー関連政策・企業動向、企業現地視察サポート、建設業界のサーキュラーエコノミー移行。個人ブログ:http://ameblo.jp/germanylife10/ 。(この人が書いた記事の一覧)