小田急電鉄株式会社はこのほど、神奈川県座間市と農林水産省との協働で、同市内の300世帯で生ごみを堆肥化、自治体の資源物・廃棄物収集の仕組みを通じて回収し、地元農家で活用することを目指す「WOOMS Activation フードサイクルプロジェクト」を、2022年7月24日に開始すると発表した。

各家庭での生ごみコンポスト化は焼却ごみを削減できる手法として環境負荷の低減につながる一方で、日本では自治体の廃棄物回収ルートで体系的に回収されているケースが少なく、とりわけ都市部ではコンポストの使い道が家庭菜園などに限定されてしまうことなどもあり、コンポスト普及拡大の妨げになっている。今回の取り組みによって、各家庭でのコンポストを回収・運搬、活用して栽培された農作物を地域で消費するという地産地消志向の循環モデルを確立、他地域での展開が期待される。

プロジェクトは、同社と循環型社会の実現に向けた協定を締結している座間市で農林水産省農村振興局の農山漁村振興交付金(都市農業機能発揮対策)を活用し、同局が進める「農鉄連携」の一環として進める。生ごみを手軽に堆肥化させるツール「LFCコンポスト」を提供するローカルフードサイクリング(本社福岡市 平 由以子代表)の協力の下、小田急電鉄のウェイストマネジメント事業「WOOMS(ウームス)」で提供する資源・廃棄物の収集運搬ソリューションを活用して、地域の中でごみの削減と都市農業の振興を目指していくことになる。

本プロジェクトのイメージ図(小田急電鉄提供)

プロジェクトでは、座間市内300世帯へ「LFCコンポスト」を無償貸与して堆肥を作成してもらう。コンポストは座間市の収集車で回収し、第三者機関での品質調査を経て、市内の農家や市民農園での農作物の栽培に活用されるようにする。本プロジェクトを通じて、2024年3月末までに計600世帯から出る約20トンの生ごみを削減し、約2トンのコンポストとして再生すると見込む。

小田急電鉄は、2021年9月に「“ごみ”のない世界へ。Beyond Waste」というビジョンを掲げてウェイストマネジメント事業「WOOMS」をスタート。座間市では「WOOMS」の導入を通じた廃棄物収集業務の最適化によって生まれた余力で、資源循環を加速する新たなチャレンジに取り組む体制整備を引き続き進めていくとしている。

【プレスリリース】
座間市で「WOOMS Activation フードサイクルプロジェクト」を開始。農林水産省との「農鉄連携」により、「焼却ごみの削減」と「都市農業の振興」に取り組みます。(小田急電鉄プレスリリース)

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