レコテック株式会社はこのほど、同社が開発した資源循環プラットフォームPOOLを活用した食品廃棄物の高度カスケードリサイクルを検証する「POOL PROJECT TAMA -ORGANICS-」を開始した。食品廃棄物のデータ活用による削減・処理工程効率化・高度なリサイクルの実施を促進していく。
同事業は、東京都事業「多摩イノベーションエコシステム促進事業」におけるリーディングプロジェクトに選定された。ごみ処理負荷低減を通じて多摩地域の持続可能性を向上させるべく、食品廃棄物の回収・再資源化の効率化・高度カスケードリサイクルを目指す。同事業では以下を実施する。
- 食品廃棄物を再資源化事業者の需要からバックキャスティングして排出元で分別・計量管理し、処理コストの削減・再生品の品質向上・アップサイクルの可能性を検証する
- 食品廃棄物の品目別排出データをリアルタイムで記録し、小口発生品目の回収効率化と、食品廃棄物がリサイクルされた場合における焼却回避や再生可能エネルギーの増加をはじめとする地域のCO2削減効果などの社会的影響を検証・評価する
同事業を開始した背景は、東京都が掲げる多摩イノベーションパーク構想と多摩地域の生ごみ処理に関する課題だとし、レコテック株式会社は詳細を次のように発表している。
東京都は「未来の東京」戦略において、多摩を世界有数のイノベーション地域にすることを目指し、多摩イノベーションパーク構想を掲げ、「多摩イノベーションエコシステム促進事業」のリーディングプロジェクトを開始した。同構想に基づき、多摩地域の課題を解決する製品・サービスの創出と多様な主体の交流・連携を強化して、多摩地域におけるイノベーション創出と地域活性化を実現することを目的としている。
加えて、多摩地域では可燃ごみに占める生ごみの割合が多く、自治体のごみ処理事業が逼迫しており、生ごみの資源化ルートの確立が必要とされている。一方、生ごみは「バイオマス資源」として注目が高まっており、高度なリサイクル技術の開発が進められている。生ごみ処理のリサイクルを高度化することで、CO2削減地域産業の創出と活性化を実現できる可能性があるとレコテック株式会社はみている。
同事業の代表事業者はレコテック株式会社で、プロジェクトメンバーはアーキアエナジー株式会社・株式会社フソウ・株式会社クボタ・伊藤忠エネクス株式会社。
平成12年度の日本における一般廃棄物に占める生ごみの占める割合は約34%と高く、生ごみの回収・再資源化の促進を目指すさまざまな取り組みが進められている。イノベーションを活用し事業者を巻き込んだ今回のレコテック株式会社の取り組みが、食品廃棄物の回収・再資源化の促進に貢献していくことが期待される。
【プレスリリース】「POOL PROJECT TAMA -ORGANICS-」開始のお知らせ
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*冒頭の画像の出典:レコテック株式会社