株式会社リコー(以下、リコー)はこのほど、同社のサーマル印字技術「ラベルレスサーマル」が株式会社セブン-イレブン・ジャパン(以下、セブン-イレブン)の商品容器包装に採用されたと発表した。

今回採用された技術は、リコーが開発したサーマルインクを容器包装であるフィルムに部分コーティングし、サーマルヘッドやレーザー装置で熱を加えて直接印字するものだ。原材料などの情報が容器包装に同技術を用いて直接印字されたサラダ3種類が、セブン-イレブン約1700店舗において期間限定で販売されている。

リコーは、同技術の特徴と提供価値を下記のように示した。

  • さまざまな容器包装に直接印字でき、環境負荷を低減する:フィルム・紙・段ボールなどの容器包装に直接印字できるため、従来の紙ラベルは不要となり、環境負荷を低減する
  • 作業工程の効率化により、高い生産性を実現する:従来のような紙ラベルなどの間接資材が不要となることで、紙ラベルの貼りはがしや消耗品であるインクリボンの交換の手間がいらず、小売り・流通業界を中心に幅広い分野で生産性が向上する
  • 包装材の統一化を促進し、在庫をスリム化する:多様な容器包装に直接印刷できるため、オンデマンド印刷への対応と保管する包装材の種類の削減が可能になり、在庫のスリム化に寄与する
  • 情報の視認性が向上する:必要な情報を裏面から天面に移すことで、原材料・アレルゲンなどの情報の視認性が向上する

「循環型社会の実現」をマテリアリティの一つに掲げるリコーは、今後も事業を通じた社会課題解決に取り組み、新しい価値を提供していく意向だ。世界では現在、容器包装の環境負荷削減を目的とした取り組みとして、簡単にはがせるラベル用粘着剤なども開発されている。こうしたなか、商品情報を容器包装に直接印字することで従来の紙ラベルを不要にし生産性向上にも貢献する、リコーのサーマル印字技術の今後の展開が注目される。

【プレスリリース】リコーのラベルレスサーマルがセブン-イレブンの商品パッケージに採用~原材料表示などを包装材へ直接印字し、環境負荷低減、作業効率化、生産性向上に貢献~
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*冒頭の画像は、ラベルレスサーマルを採用した商品容器包装(出典:株式会社リコー)