世界で進む生物多様性の喪失を食い止め、自然を再生できるのはサーキュラーエコノミーである――。英エレン・マッカーサー財団(EMF)はこのほど、サーキュラーエコノミーが生物多様性を再生する可能性について論じたレポート「The Nature Imperative: How the circular economy can help tackle biodiversity loss(自然からの命令:サーキュラーエコノミーはいかに生物多様性の喪失を食い止められるか)」を発表した。レポートでは、保護と回復を主眼としたこれまでの生物多様性保全の有効性を認めつつも、それだけでは不十分だと指摘。サーキュラーエコノミーの3つの原則を適用させることで、生物多様性の喪失を招いている根本的な要因を取り除くことができるとしている。

生物多様性の保全をめぐっては、2021年10月に中国・昆明で開催予定の生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)を控えて、2030年を目指した生物多様性保全をめぐる新たな目標の採択に向けた国際的な議論が継続している*。喪失した生物多様性の90%は天然資源の採掘・精製に起因するとされており、本レポートでは製品やサービスの生産から消費に至るプロセスをサーキュラーエコノミーに移行させることで生物多様性の喪失を食い止め、生態系の再生につなげる道筋を示したものとして注目できる。

*コロナ禍に伴って議論が遅れている影響でCOP15での2030年目標の採択は見送られると報道されている。多様性目標採択10月は見送り 国連、コロナ流行で交渉に遅れ(共同通信 2021年7月21日)

生物多様性を再生するサーキュラーエコノミーの3つの原則

レポートは、以下3つのサーキュラーエコノミーの原則を適用すれば、生物多様性の再生に向けて好影響を及ぼせると主張する。

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