製品トレーサビリティ企業Circularise Japanは4月14日、帝人株式会社が展開する一部のアラミド繊維および炭素繊維製品において、Circulariseの「デジタルプロダクトパスポート(DPP)」が導入されたと発表した。帝人は欧州の環境規制「持続可能な製品のためのエコデザイン規則(ESPR)」への対応を見据え、2024年11月にCirculariseに出資。両社はサプライチェーンの透明性確保と循環型社会の実現に向けた連携を強化している。
Circulariseのプラットフォームでは、情報共有の安全性と検証可能なトレーサビリティの実現に力を入れている。
今回の取り組みでは、両社による2つのDPP事例がJEC World(2025年・パリ)で公開された。1つ目は、使用済み製品から再生されたアラミド繊維製品に関する事例で、アイスランドのハンプジャン社の重量物運搬用吊り具に使われていた帝人の「Twaron®」を原料とするリサイクル品。
2つ目は、帝人の炭素繊維端材由来の短繊維「Tenax Next™ R2S P513 6MM」を用いた自転車用タイヤを着脱する際のタイヤレバーの事例で、炭素繊維の製造工程で発生した端材由来の炭素繊維短繊維の再資源化プロセスを可視化した。
Circulariseは今後もDPP導入を段階的に進めていき、2030年までにDPPの全面導入支援を目指している。ESPR下で義務化が提案される繊維や化学製品への対応を見据えた取り組みを加速していく方針だ。
同社は2016年設立の企業で、ESPR認証等への対応を可能にするサプライチェーン向けプラットフォームを展開。2025年1月には日本法人「Circularise Japan株式会社」を設立し、国内市場での展開を本格化している。
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