株式会社comvey(以下コンベイ)は5月31日、繰り返し使える国産の梱包材「シェアバッグ®︎」を用いた配送システムの運用を開始した。

アパレル系EC事業者を対象とする同システムの導入で、EC事業者は配送で発生する梱包ごみを最小限に抑えられるとともに、段ボール回収やごみ焼却時に発生するCO2を削減し、脱炭素化を推進できるとしている。リユース梱包材をめぐっては、同様のサービスを展開するフィンランドのRepackが欧州や北米を中心に200社以上に利用されるまでに拡大しており、シェアバッグの登場で日本国内でもリユース梱包材による配送が一般化していくか注目される。

リサイクル可能な国産生地を使用、50回以上のリユースを目標に

コンベイの利用方法はこうだ。同システムが導入されたECカートでは、消費者は梱包材を通常の段ボールなどにするか、シェアバッグにするかを選択。配達されたシェアバッグは郵便ポストに投函するだけで返却でき、返却が確認されると消費者はクーポンを獲得できる。返却されたバッグはクリーニング・修繕された後、再びEC事業者へ提供される。すでに、コンベイのビジョンに共感する「O0u(オー・ゼロ・ユー)」と「NobodySurf」の2つのアパレルブランドに採用されている。

シェアバッグは、同社のパートナー企業とともに国内で生産されたリサイクル可能な生地を使い、国内の工場で縫製される。50回以上リユースすることを目標としており、使用回数が限度に達した場合や途中で破損した場合は、再生ペレットにリサイクルされる。

comveyのシェアバッグと、システム導入されたECストア

EC事業者は、シェアバッグを利用することで配送時のCO2を削減できる。加えて、EC利用時に生じる梱包材ごみや処理に対する消費者のストレスを緩和し、クーポン利用による価格上の利点を感じる消費者からの信頼を得られ、再度利用につながる可能性が広がる。シェアバッグを梱包材として使用することで、段ボールの組み立てやテープ貼りが不要になるため、梱包作業時間も削減できる。

株式会社ネオマーケティングの「ECサイトの梱包から配送に関する調査」によると、消費者の約9割が「ごみが増えないよう、簡易な梱包資材が使⽤されていること」や「環境に配慮した梱包資材が使⽤されていること」に必要性を感じており、ごみを減らして環境に配慮したいという消費者の意識が伺える。リユース梱包材の普及は、こうした消費者の需要にも合致する。

コンベイは「未来の地球や人間の暮らしのために当社がいまできることは、今後社会に必要とされるであろう文化を、少しずつ、着実に創っていくことだと考えています。当社は『美しい物流をつくる』という使命のもと、これまでの物流の概念を再定義し、さまざまなステークホルダーと力を合わせながら、これからのEC社会にふさわしい新しい物流の仕組みを創造していきます」と述べている。

【プレスリリース】EC配送時の脱炭素化を推進。株式会社comvey、繰り返し使うエコな梱包材「シェアバッグ®︎」を活用した新サービスを2023年5月31日(水)より正式リリース
【参考サイト】Comvey公式サイト
【参考サイト】ネオマーケティング「ECサイトの梱包から配送に関する調査」
【参考記事】宅配ごみを減らす。ポストで返せる再利用可能な配送パッケージ
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*記事中の画像の出典:株式会社comvey